経営の拡大戦略を応用し“ヘルプマーク普及”に余命を懸ける。

2018年10月16日
office

小﨑 麻莉絵さん / MARIE KOZAKI

特定非営利活動法人 いのち繋ぐプロジェクト(愛知県名古屋市)
理事
事業内容:ヘルプマークの広報啓発

PROFILE

 2012年、名古屋市でWEB制作会社『株式会社オアシス』を立ち上げるも、2014年に血液の病気MDS(骨髄異形成症候群)と診断され、余命5年の宣告を受ける。退院後の療養中に『ヘルプマーク』を知り、広報の必要性を感じる。任意団体での啓発活動を経て、2018年に『NPO法人いのち繋ぐプロジェクト』として組織化。住まいのある三重県へも活動の範囲を広げ、2018年には「三重県ヘルプマーク・アンバサダー」に就任。

 

県・市町の附属機関の委員等履歴
・三重県ヘルプマーク・アンバサダー(2018年〜)
・三重県子ども福祉部「みえの子ども『夢☆実☆現』応援プロジェクト」コーディネーター(2018年)
・三重県地域連携部国体・障害者スポーツ大会局「東京2020オリンピック聖火リレー三重県実行委員会」委員(2018年〜)

私の使命

余命宣告を受けて知った『ヘルプマーク』

 「電車で座っていると、病気で辛くても『若いくせに』と叱られる。もう『私は病人です』って体に刻んでしまいたい!」。2014年に血液の病気MDS(骨髄異形成症候群)を発病した小﨑さんは、こんな発言を機に、知人の紹介で『ヘルプマーク』と出会いました。ヘルプマークとは、援助や理解を周囲に求める“しるし”。外見では分からない病気や障害があることを示しています。ヘルプマークは2012年に東京都から始まり、現在は全国共通のJISマークに。小﨑さんはマークを付けて以来、たくさんの優しさを感じたといいます。そこで「ヘルプマークをもっと広く知ってもらいたい」と活動を開始。2018年には「三重県ヘルプマーク・アンバサダー」に就任しました。


発病前から一貫して “1人でもやる”

 『余命5年』の宣告を受けたという小﨑さん。当時の職業は会社経営。創業2年目で、WEB制作の仕事獲得に燃えていたといいます。「動機は自分に“自立”が必要と思ったから。起業にあたり、尊敬する経営者さんの下で経営学・哲学・人間関係論など、たくさんのことを学びました」。ヘルプマークの普及活動に取り組む今も「“自立”の心は変わりません」。啓発イベントへは、1人でも行く気構え。「実際1人でやった事もありますよ」。体調によっては、1km歩くこともままならない日も。「病気・障害を持つ人など、色んな人が私のヘルプマーク活動を楽しみに待ってくれているので。私の基本は“個人活動”です」。


私流リーダーシップ

「私は無力」人の力を引き出す戦略

 小﨑さんが理事を務める『NPO法人いのち繋ぐプロジェクト』。代表理事はあえて不在にし、理事は少人数。小さな団体ですが、2017年に名古屋市で署名活動をした際には、1万1,103名もの署名を達成。2018年には地元の三重県で、ヘルプマークアンバサダーに就任。クラウドファウンディングで寄附金を募ったところ、目標額を上回る51万5,000円も寄せられました。啓発イベントを開催すると、イベント協力者、参加者ともに大盛況! 小﨑さんは、人を動かす特別な力があるようです。「実は私、リーダーですが何もできないリーダーなんです。1万人の署名を集めた際も、自分でお願いしたのはわずか4人の方でした」。


小さな協力を糸口に、大きな輪を作る

 ヘルプマークの普及活動には、小﨑さんが起業の際に習得したテクニックを用いているといいます。それは、①できない自分を明確にする、②相談してアドバイスを求める、③小さな協力を引き出す、④協力の輪を広げる。「私は、できない。それを明確に打ち出すと、その穴を埋めてくれる人がきっと現れてくれると信じています。ヘルプマークユーザーも、健康に日常生活を送る方も、企業も行政も。みんな大きな可能性を持っているように見えます」。アイデアや人との繋がりを総動員し、社会的少数者になった経験さえも踏み台にして、ボーダーレスに活動中。自身の武器をすべて用いて、ヘルプマークユーザ−への理解と協力拡大のため命を燃やします。


社外メンターとして

お話&アドバイスできる内容

■NPO設立
■多文化共生
■マイノリティの活動支援

講演実績

2018年 「ヘルプマークを知っていますか?〜優しさで繋ぐ、健常者と当事者〜」
(全日本空輸株式会社中部支社)
2018年 「ヘルプマークを知っていますか?〜優しさで繋ぐ、健常者と当事者〜」
(三井住友信託銀行名古屋営業所)
2018年 「命と時間のお話」
(愛知サマーセミナー実行委員会)

こんな講演・相談に対応できます

■ヘルプマークの広報・啓発
■命の話、人生の時間について
■社会的少数者との関わり方
■1万人の署名を集めた事例紹介

所属事業所概要

特定非営利活動法人いのち繋ぐプロジェクト
愛知県名古屋市中区金山5-5-20
http://inochitsunagu.org/
社員数:10名

私の癒し

一番大切なもの、それは夫や家族と過ごす時間です。夫とは病気が発覚してから知り合い、結婚しました。写真は父の還暦祝い。弟の家族と一緒に“どら焼きケーキ”で楽しくお祝いました。

2018年8月 取材