初の生え抜き女性専務。地道な努力と笑顔で会社を変革!

2018年10月17日
office

垣本 美和さん / MIWA KAKIMOTO

日本土木工業株式会社(南牟婁郡御浜町)
専務取締役
業種:総合建設業

PROFILE

28歳で離婚を経験、32歳で資格も経験もなく現会社に入社。総合建設業の事務職全般をすべて独学で身につけ業務を担う。1999年には、創業以来初となる女性管理職に就任。経理部長・取締役と昇進し、2018年4月より現職。2006年、会社初となる女性現場監督の採用を後押し。以降、現場で働く女性の労働環境改善や、男性社員も含めた育休取得促進キャンペーン等を実施。社員が働きやすい職場環境づくりに日々邁進中。

 

県・市町の附属機関の委員等履歴

・公益財団法人三重こどもわかもの育成財団 理事(2018〜2020年度)

私の使命

学歴・資格・経験なし。ゼロからのスタート

「約20年前に入社した時は32歳でした。経理職は未経験、パソコンはまるでダメ」。今や専務に昇進した垣本さんは、こう振り返り目を細めます。「任された→できない→けどやらなきゃ。その連続でした」。その頃、会社は成長期。社員たちは現場作業に追われ、経費も利益も、誰も把握できていなかったとか。そこに採用されたのが垣本さんでした。夫に背中を押され、建設経理、施工管理などさまざまな資格を取得。「役員就任以降、制服の購入方法から就業規則まで思ったことを次々と提案させてもらいました」と微笑みます。「社員同士で『こうなったらいいよね』『こうしてほしいよね』と話していたことを、一つずつ叶えていったんです」。

女性技術者・現場監督も活躍できる職場!

同社は、2008年度に三重県『男女がいきいきと働いている企業』の認証を取得。2014年度には最高賞『ベストプラクティス賞』にも輝きました。厚生労働省『均等・両立推進企業表彰』では、2011年度『均等推進企業部門 三重労働局長優良賞』を受賞。それらは建設業の女性採用と職域拡大などが評価されたものです。「2006年に『現場監督になりたい』という女性が面接に現れたんです。当時部長だった私は、彼女の採用の後押しができたことをとても嬉しく思いました」。環境整備、セクハラ対策など取り組むべき点は多数ありましたが、「社長に『改善すれば“加点”です! 受注優位になれますよ!』と日々アピールしていました」。

私流リーダーシップ

女性社員も「スキルアップ」。資格取得率100%

女性監督が男性作業員を率いるのは、一朝一夕にできるものではなかったといいます。「それでも社長が根気強く、現場作業員に働きかけてくれました」。しばしば現場に足を運び、理解を求めたといいます。一方、女性社員にも奮起を促しました。「女性も資格を取得しよう。資格を取れば手当UPだよ!」と。挑戦の励みになるよう、今まで手当がつかなかった資格にも技術手当を支給する社内制度を、垣本さんは整備しました。制度整備の際に心がけているのは、“会社にとっても社員にとっても嬉しい”制度にすること。「勿体ないと思いませんか? せっかく会社が新制度を導入しても、誰も喜ばなかったら」。垣本さんは社内を見渡し社員の様子を見守ります。

「同じ苦労を、誰にもさせたくない」

垣本さんは「社員一人ひとりの心に余裕がある会社」を目指しています。「みんな、根はいい人なんです。でも優しくなれない時がある。心がささくれ立つのは『なぜ自分だけが』という目に遭っている時。誰かに負担が偏らないよう、注意して見守っています」。発言の裏には自身の経験が深く結びついているようです。専務になった今でも役員室は使わずに、経理部で机を並べて仕事をし、社員たちを見守ります。朝一番の仕事は、熱中症対策用の清涼飲料水を用意すること。退勤前には“清涼飲料水の氷”を準備して帰宅します。「だって薄まると美味しくないでしょう?」その姿は専務というより、“会社の母”のようでした。

社外メンターとして

お話&アドバイスできる内容

■キャリアアップ・キャリアデザイン
■育ボス
■建設業の働き方改革

講演実績

2018年 「社員に愛される会社とは〜性別に関係なく、誰もが活躍できる会社に〜」(三重県中小企業家同友会中勢支部)
2018年 「若手後継者等育成事業(女性部)研修会」(東紀州ブロック商工会女性部)

こんな講演・相談に対応できます

■自身のキャリアアップ体験
■社員が喜ぶ働き方改革のルール
■セクハラ改善の取組み事例紹介
■建設業の女性活躍事例紹介

所属事業所概要

日本土木工業株式会社
三重県南牟婁郡御浜町大字引作141-52
社員数:22名
事業内容:総合建設業

私の癒し

我が家で飼っている、ジャックラッセルテリアのマイロ(雌・10歳)との時間です。猟犬の犬種なので、元気いっぱい! 毎日たくさんの散歩が必要です。休日は1時間以上山を登ったり川で遊んだり、私の運動不足解消にも一役買ってくれています。

2018年8月 取材

インタビュー概要PDFはこちらから>>