尾鷲の『チームあいあい』が介護〜飲食で元気を吹き込む!

2019年1月27日
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楠 珠里さん / JURI KUSU

特定非営利活動法人あいあい(尾鷲市)
副理事長
業種:訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、居宅介護事業、グループホーム、障がい者支援事業、サービス付き高齢者向け住宅、ほか

株式会社OCK Ba-mi(尾鷲市)
取締役
業種:給食受託、飲食店の受託・経営

PROFILE

尾鷲市出身。歯科衛生士の資格を取得し、市内の歯科医院に勤務。出産後に受講した介護ヘルパー講習がきっかけで、NPO法人あいあいに入社。パートの介護ヘルパーから、正社員を経て介護ヘルパーのリーダーに。その後、ケアマネージャー、介護福祉士、准看護師などの資格を取得。現在は同法人の副理事長として全事業の管理を担当する。2017年5月には関連会社の株式会社OCK Ba-miの取締役にも就任。

私の使命

介護・看護・飲食店を行き交い現場に立つ

2000年に始まった介護保険制度。楠さんは2002年に、NPO法人あいあいに入社しました。パートのヘルパーから出発し、17年経った現在は副理事長に。人手不足の部署への異動を買って出て、30代でケアマネージャー・介護福祉士の資格を取得。38歳の時には看護学校に入学。最近では、関連会社の株式会社OCK Ba-miが運営する飲食店に出勤することも。「朝には注射を打ち、昼にはうどんを打つ。面白いでしょ」と笑い飛ばします。入社してからいつも、子育てとの並行作業でした。「とにかく楽しかったんです、仕事が。私が思い描いていた“介護”のイメージをガラリと変える、明るさと活気が『あいあい』にはありました」。

カリスマ理事長の夢を、チーム一丸で追う

『あいあい』は、近年躍進する尾鷲の介護事業法人。看護師だった湯浅しおりさんが、“24時間・365日の在宅ケア”を掲げ2001年に独立開業しました。役員8名は、全員が子育て世代の女性たち。2013年には7階建てのビル『あいあいの丘』を建設し、湯浅さんは“住民2万人の尾鷲で200人の雇用を創出したカリスマ理事長”として知られています。2017年にはOCK Ba-miを創業し、飲食事業も展開。翌年には3階建てビルも建て、障がい者雇用にも力を注ぎます。楠さんは、自身の17年間の努力ついて、一言で言い切りました。「理事長の夢を、私も一緒に見たい。私はカリスマ理事長に惚れてしまったんです」。

私流リーダーシップ

手探りのリーダーから、現在は副理事長に

楠さんが初めてリーダー職に就いたのは、パートの介護ヘルパーとして半年ほど経ったころ。「理事長から『ヘルパーのチームを作ろう』と声を掛けられました」。この時から楠さんは正社員に。初めてのチーム員は5名で、全員が育児中の女性達でした。一方、顧客は介護保険制度の影響で、ひと月で20件、半年で100件と急増。「急遽ママ友を勧誘して、チームは20名まで膨らみました。慣れないリーダー職に、てんてこ舞い!」。楠さんは、チームワークづくりの一環として、申し送りの連絡を1人ひとりに直接電話していたと振り返ります。近年多くの会社で導入される“1on1ミーティング”を、楠さんはごく自然に実践していました。

リーダーの極意は「ありがとう」

リーダーの極意をたずねると「むしろ助けてもらってばかり」と楠さんは笑います。「介護、看護、飲食、管理職。どれも“人対人”です。『ありがとう』って言われると嬉しいし、『ありがとう』と言われる私は幸せ者! だから困り事が発生したら、その時は私が飛んで行かなアカン」。シンプルな言葉から浮かび上がるのは、率先垂範のリーダー像。「お手本は理事長です。あの人が現場に現れると、社員みんなが『ねぇ私の話を聞いて〜』と気軽に話し掛けます。世の理事長って、偉そうでしょ? 怖そうでしょ? でも『あいあい』には全くそれがない」。惚れた人の心意気を、現場の隅まで行き渡らせる。楠さんは、そんな仕事を買って出ています。

社外メンターとして

お話&アドバイスできる内容

■キャリアアップ・キャリアデザイン
■仕事と家庭の両立
■人材育成

こんな講演・相談に対応できます

■介護施設における職場環境の整備
■仕事や子育てと並行しての資格取得
■チームの士気を高める方法
■介護におけるクレーム対応

所属事業所概要

特定非営利活動法人あいあい
三重県尾鷲市矢浜4丁目1-46
社員数:187人

株式会社OCK Ba-mi
三重県尾鷲市矢浜4丁目1-41
社員数:50名

私の癒し

やっぱり我が子です。私が『あいあい』に就職した頃、この子は1歳でした。高校3年生になった今では、『あいあい』でアルバイトをしています。来春からは家を出て、看護学校に進学するんですって。親の私から見ても、自立した子に育ちました!

2018年11月 取材

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