三重の先進農業を、世界中に広めたい!

2019年1月27日
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呉 婷婷さん / TINGTING WU

株式会社浅井農園(津市)
研究開発部 研究員
業種:育種及び養液栽培技術等に関する研究開発事業、野菜果実の生産及び流通開発事業、緑化花木の生産及び造園緑化事業

PROFILE

 中国・四川省出身。2010年に交換留学生として三重大学大学院へ入学し、博士号(農学)を取得。卒業後に、株式会社浅井農園の5代目社長・浅井雄一郎さんのスピーチを聴講。「先細る日本の農業を、先進農業のチカラで変えたい」という思いに共感し、入社を決意。同社の外国人社員第1号として、農業技術の研究開発、外国人の技術交流者やインターン生とのコミュニケーションを担う。夢は三重発の先進農業を世界中に広めること。

私の使命

卒業後は中国へ帰るつもりだったが

 呉 婷婷(ウ・ティンティン)さんは、中国・四川省の出身。中国からの交換留学生として、2010年に三重大学大学院へやって来ました。「私の故郷は、四方を山に囲まれた盆地の町です。農地は傾斜地が多く、なかなか機械が入れません。皆が苦労していました」。地域課題解決のために、中国の農業大学では農業工学を、三重大学大学院ではバイオマス材料研究を専攻し博士号を取得。「卒業後は中国で大学の先生となり、見聞を学生に伝えたいと思っていました」。呉さんの運命を変えたのは、津市で先進農業に取り組んでいた浅井雄一郎さん(株式会社浅井農園代表取締役)。「講演で浅井社長の話を聴き『この人と一緒に仕事がしたい!』と強く思ったんです」。

私が証明する“養液栽培のトマトは美味しい”

浅井農園は、1907年から続く花木の生産・卸農家。創業100年の2007年より、浅井雄一郎社長のもとで全く新しいトマト栽培に着手しました。呉さんは、浅井社長をこう見ています。「在来農業を深く理解し、日本の農業を愛する人。家業100年の歴史を土台に、日本の農業を変えたいとチャレンジしています」。浅井農園のトマト栽培ハウスには、土がありません。トマトの根は、土の代わりに湿ったスポンジ(ロックウール繊維)で覆われていました。「養液栽培です。ロックウール培地に含まれた栄養を吸収し、トマトが美味しい実をつけます。農学博士の私の仕事は、“先端技術で育ったトマトは美味しい”ということを証明することです」。

私流リーダーシップ

外国人と日本人社員の“架け橋”に

 呉さんが入社したのは2014年。「社員はまだ8人で、私が第1号の外国人社員でした」。浅井農園はその後事業を成功させ、アメリカからアジア、アフリカまで各国の研修生を受け入れることに。英語・中国語・日本語が堪能な呉さんは、彼らの社内教育係を買って出ました。「日本語が苦手な人、農業経験がゼロの人、ビザなどの書類記入が苦手な人など、色々な人がやって来ます」。この日はケニアとマリからやって来たインターン生と、英語でコミュニケーションを取っていました。その一方で、日本人社員に対しては多文化体験を促します。「両者を繋ぐには、私がきっと適任!」と、呉さんは率先してコミュニケーションを取っているといいます。

浅井農園の社員として、いつか海外へ

 新品種の研究開発は、農学博士の呉さんがスーパーバイザー(管理者)。ハウスの中には、まだ世の中に出回っていないトマトが沢山植えられていました。ここには世界中のトマトが集まっているのだとか。日々の変化は、張り巡らされたセンサーが感知。パート社員達も現場を歩いて呉さんに報告します。肥料も外国から取り寄せ、分析し、その結果を元に、まだ見ぬ美味しいトマトの作り方を探ります。呉さんの10年後についてたずねてみると、「私はどこの国で働いているでしょう?」と首を傾げます。「もしかするとAsai China, Inc.が設立されて、母国で仕事をしているかも」。浅井社長とともに、この先進農業を世界中に広げようと邁進中です。

社外メンターとして

お話&アドバイスできる内容

■多文化共生
■人材育成

講演実績

2017年 「農業技術の革新〜グローバル競争時代の農業で生き抜く為には〜」(三重大学)
2018年 「海外施設園芸の発展方向」(中国安徽農業大学)
2018年 「現場力向上研修」(三重県職員研修センター)

 

こんな講演・相談に対応できます

■外国人社員への社内研修
■異文化理解の“架け橋”実践法
■スマート農業の現在と未来
■浅井農園の研究・取組紹介

所属事業所概要

株式会社浅井農園
三重県津市高野尾町4951番地
http://www.asainursery.com/
社員数:61名

私の癒し

世界中のトマトが育つ、私の研究用ハウスです。魔法のように美しくて美味しいチェリートマトの一つ一つが、私のパワーの素になっています。

2018年11月 取材