テーマ
ダイバーシティ経営が成果につながる理由(わけ)
スピーカー
佐々木 かをり氏(株式会社イー・ウーマン代表取締役社長、
株式会社ユニカルインターナショナル代表取締役社長)
内田 隆 氏(積水ハウス株式会社 取締役 専務執行役員 関連企業担当、人事部長)
内容
基調対談では「ダイバーシティの第一人者」とも呼ばれる株式会社イー・ウーマンの佐々木氏より、ダイバーシティの本質的な意義と企業活動においてダイバーシティ経営が必要とされる理由を、積水ハウス株式会社の内田氏からは、ダイバーシティ経営が成果につながった好事例を紹介していただいた。
佐々木氏は、女性活躍というのはダイバーシティの第一歩に過ぎない。ダイバーシティは多様性、いろいろな人がいるということ。大切なのは「視点」のダイバーシティであり、視点の違う人たちが共存することであると語った。なぜなら、これまでは地域も国も会社も1つの価値観だけで支えるのが強い柱だと思われていたが、これからは様々な人に支えられ多様な視点がある方が力強いし安全であるという時代となってきていると説明があった。
そもそも、ダイバーシティには「大きな目的」があり、それは「チーム全体の総合得点を高める」ことであるというお話があった。いろんな人がいることで、いろんな知恵が出て、よりよい結果がでる。企業であればそれが儲かることにつながるのだと。昔から日本にある三人寄れば文殊の知恵という言葉がまさにダイバーシティの本質を表していると語った。
また、佐々木氏は、会場にきていた女性たちに向けて、ダイバーシティ社会に向かうことで、一人ひとりが組織に貢献することを求められ、ある意味これまでより厳しい時代になったと語った。具体的には、①提案力を上げること、②自分マネジメントができること、③ネットワーク形成などの資質が求められてくるとのこと。最後に、「居心地のいい場所だけではなく、自分を成長させてくれる人との出会いの場に積極的に出かけてください。そうすることで、貴女の内側のダイバーシティを拡げ、強めていくことができます。上司や社長が多様性を促進する中で、貴方はどんどんと上に行く人材となります。」と力強い応援メッセージをいただいた。
内田氏からは積水ハウスがダイバーシティに本格的に取り組むこととなったきっかけからお話しいただいた。
少子超高齢化、人口減少の時代に入り、住宅会社が持続的に成長するためには、様々なイノベーションを起こし、ビジネスの展開を図る必要が出てきた。そんな現状を新しい取り組みで打破するべく、女性営業職を採用。しかし女性社員は定着せず、現場でも上司が女性社員の扱いに苦労するなど問題が多発。一度はあきらめかけた。しかし、トップから強い発信があり「多様性がないと企業成長はない。女性の考え方やアイディアが必要である」と奮闘。ダイバーシティが大きく動き始めた。改革の目玉は長時間労働の是正と女性管理職を養成する「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」の導入であった。カレッジから新たに25人の女性管理職が誕生し、ロールモデルとして活躍している。また女性の現場監督の登用により現場の美化が進んだり、職場に短時間勤務の女性が増え職場に時間管理の意識が浸透するなどの効果も出ている。
これらの経験を経て、ダイバーシティを進める上で大切なのは、会社も働く人も決して諦めないということである。
また、トップのダイバーシティが必要であるという強い意志と現場の知恵、意見の出しやすい職場が必要であると語った。
「本当に風通しのよい職場とは、上から下へだけでなく、横からも下からも風が吹く職場である」という言葉が印象的であった。
テーマ
本音で語る!女性の活躍とダイバーシティ
ファシリテーター
古谷野 義之氏(経済産業省経済産業政策局 産業人材企画調整官)
登壇者
海住 禎人氏(株式会社百五銀行 人事部長【登壇時】)
加藤 丈典氏(エイベックス株式会社 代表取締役社長)
福山 知子氏(カルビー株式会社 執行役員 経営企画本部本部長兼コーポレートコミュニケーション本部本部長)
山口 恭子氏(株式会社ローソン 人事本部 人事企画部長)
内容
パネルディスカッションでは、最初に各社の取り組みや、苦労したことなどを紹介していただき、続いて、女性活躍、さらにはダイバーシティ経営に全社で取り組むためにどんな課題がありどうやって乗り越えてきたのか説明いただいた。最後にダイバーシティ経営を進め企業を発展させていくために必要なことについて、フィリップにキーワードを挙げていただいた。
各社の取組紹介では「男女が持てる能力を発揮できるよう人事制度を改定し全員総合職にした」、「働き方改革推進室を設置し取組を進めている」、「ものづくりが好きな人をキーワードに面接のみで採用。男女、文系理系、外国人、障がい者の区別なく雇用している」、「弱者の戦略で取組を進めた結果、ダイバーシティにたどり着いていた」、「育児勤務者が活躍できるよう工場勤務のシフトを変更した」、「多様なお客様のニーズに対応するためダイバーシティの取組を推進している」、「新卒採用の男女比を5:5にするなど数値目標を定めて取組を進めている」など目的は同じでありながらも、多種多様で具体的な取組事例が紹介された。
続いて、ファシリテーターである古谷野氏からは経営戦略をめぐる環境変化(求められている人材像の変化や働き方改革、中長期的な企業価値の確保、グローバル化等)について説明いただくとともに、そのような環境の下で企業が個人の能力を最大限に引き出し、付加価値を生み出し続けるために必要な経営上の取組を示した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を紹介していただいた。
その後、パネリストから取組を進めるうえで苦労したことや工夫したこと等として、「女性従業員の管理職志向と既存の男性管理職の意識にギャップがあった」、「自分がいない時でもメンバーが自分で判断し行動できるよう、判断は全てメンバーに任すことを心がけていた」、「トップからのメッセージが一番社内への浸透につながる」などの話があった。
最後に、パネリストより経営者に向けたメッセージとして、「思いやり」「感謝」「努力」、「続ける」、「Top Commitment」「仕組みづくり」、「多様性を生かして全員経営」といった言葉が並んだ。パネルディスカッション全体を通して、強いコミットメントが必要であるということ、さらには多様性を理解したうえで社内でどのようにダイバーシティを進めていくのかが非常に重要であると総括し締めくくられた。
三重県で働く女性のさまざまな挑戦を称え、応援することを目的に、昨年度に引き続きアワードを開催した。
「県内で働く女性で、何らかの挑戦を行っている人」という要件で応募のあった79人のうち、事前審査を通過した10人のファイナリストが3枚のスライドで各自5分間のプレゼンテーションを実施した。
ファイナリストのプレゼンテーションの後には、3名のゲストプレゼンテーター、鈴鹿高等学校の舘氏、前年度みえモデル賞の井上氏、四日市市長の森氏を迎え、同じフォーマットにて自身の挑戦についてプレゼンテーションをしていただいた。
栄えあるみえモデル賞は、御浜町の土木建築会社に中途採用で入社し、取締役となった垣本氏のプレゼンテーション「中途採用から役員に~今 社員に愛される会社を目指して~」が、本県を代表する働く女性のロールモデルとしての価値を提供し、地域への広がりが期待できることを評価され受賞した。会場の投票により決定するオーディエンス賞は、四日市で子ども食堂等を運営している山田氏のプレゼンテーション「子どもの豊かな心を育む居場所「四日市子ども食堂55」の挑戦!」が、最も共感し、心を動かされたモデルと評価され受賞した。その他スポンサー企業からは、企業のコンセプトに合ったファイナリストたちにそれぞれの賞が贈られた。
NO |
所属 |
氏名 |
プレゼンテーションタイトル |
---|---|---|---|
1 |
株式会社鹿の湯ホテル |
池田 奈桜 |
挑戦って楽しい!! |
2 |
特定非営利活動法人 みどりの家 |
猪野 由里 |
ソーシャルビジネス |
3 |
四日市市自治会連合会事務局 |
大瀧 あずさ |
女性視点の地域力向上へのチャレンジ |
4 |
日本土木工業株式会社 |
垣本 美和 |
中途採用から役員に |
5 |
常若 リーダー |
梶浦 明日香 |
三重の日本の伝統工芸を受け継ぐ |
6 |
株式会社オアシス 代表取締役社長 |
小﨑 麻莉絵 |
病気がくれたギフト |
7 |
SakuraBerry’sGarden 園長 |
富田 裕美 |
農業経験0(ゼロ) 一般事務員から |
8 |
国立大学法人三重大学 |
中川 朝子 |
地球温暖化防止に向けて |
9 |
特定非営利活動法人 |
山田 知美 |
子どもの豊かな心を育む居場所 |
10 |
特定非営利活動法人 |
山田 ロサリオ |
(女性×外国人×高齢者)が楽しむ人生 |
池田 奈桜様
猪野 由里様
大瀧 あずさ様
垣本 美和様
梶浦 明日香様
小崎 麻莉絵様
富田 裕美様
中川 朝子様
山田 知美様
山田 ロサリオ様
所属 |
氏名 |
プレゼンテーションタイトル |
---|---|---|
鈴鹿高等学校 3年生 |
舘 明里 |
高校生活で学んだこと そして将来の夢に向かって |
株式会社アグリー 代表取締役 特定非営利活動法人あぐりの杜 事務局長 |
井上 早織 |
あぐりの杜プロジェクトはじまる |
三重県四日市市長 |
森 智広 |
女性も男性も共に輝く『元気もりもり四日市!』 |
ゲストプレゼンテーター 舘 明里様
ゲストプレゼンテーター 井上 早織様
ゲストプレゼンテーター 森 智広様
◆ 本県を代表する働く女性のロールモデルとしての価値を提供し、地域への広がりが期待できるモデルに対し授与する賞
◆ 表彰状並びに賞金30万円、「チャレンジャーズアワード」トロフィー
◆ 当日の来場者の審査により、最も共感し、心を動かされたモデルに対し授与する賞
◆ 表彰状並びに賞金10万円、「チャレンジャーズアワード」トロフィー
アクアイグニス賞:梶浦 明日香様 ◆ 三重の魅力を発信し、 ◆ 表彰状並びに「アクアイグニス片岡温泉 オーガニック離れ宿」
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三重銀行賞:富田 裕美様 ◆ 女性ならではの視点や経験を生かした起業家モデルに対し授与する賞 ◆ 表彰状並びに株式会社三重銀行及び
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井村屋グループ賞:山田 ロサリオ様 ◆ 多文化共生を推進し、ダイバーシティ社会を ◆ 表彰状並びにスポーツ羊羹1年分
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百五銀行賞:猪野 由里様 ◆ 生き辛さを感じる人たちへの支援を通じ ◆ 表彰状並びに株式会社百五総合研究所の発刊する情報誌
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エイベックス賞:大瀧 あずさ様 ◆ 女性の参画が少ない分野において、女性の視点を生かし、 ◆ 表彰状並びに人気の工場見学へ10名様ご招待
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第三銀行賞:池田 奈桜様 ◆ 社員を顧客と捉える新たな発想で働き方改革を ◆ 表彰状並びに「三銀ふるさと文化財団 定期コンサート」ご招待
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国際ソロプチミスト三重賞:小崎 麻莉絵様 ◆ 仕事を持ちながら、地域社会に積極的に貢献する ◆ 表彰状並びに毎年6月に贈呈式を行う
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サティスホーム賞:中川 朝子様 ◆ 自身のスキルを活用し、高い気概を持って ◆ 表彰状並びにグループ会社のヴィエルジュのエステ無料券(5回分)
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