森に新しい風を!女性生活者目線で三重の木を活用中

2018年10月17日
office

本田 美香さん / MIKA HONDA

林業女子会@みえ(桑名市)
代表
業種:森林・林業に関する情報発信、地域材利用の提案

PROFILE

三重県職員で林業普及指導員。津農林水産事務所に勤務していた2014年に『林業女子会@みえ』(任意団体)を発足。三重の林業をもっと身近に感じてもらおうと、県産材を使った家具展などを開催。林業家・木工作家らと交流を深められる体験会・見学会なども企画する。また子育ての経験を活かし、親子で楽しめる木工教室や森の見学会なども企画。会員数は約30名。

私の使命

美しい三重の木を、もっと暮らしに身近に

2010年に京都で始まった『林業女子会』。取組は各県に広がり、三重県では2014年に『林業女子会@みえ』が始動。県の林業技師として働く本田さんが代表を務めます。『林業女子会@みえ』のメッセージは、“三重の木を、もっと暮らしに身近に”。「三重の木と聞くと、住宅用材が思い浮かぶかもしれません。だけど身近でおしゃれな家具や生活雑貨も実はあるんですよ」と本田さんは伝えます。2017年には三重県立美術館で『三重の木の椅子展』を開催するなど、木工展覧会を隔年で企画。そのほか材木が生まれる場所=三重の森を訪れ、林業を知る見学会も開催しています。いずれも“ママも子も、どちらも楽しめる”ことを大切にしています。

“木”の仕事を増やせば山は元気に蘇る

『林業女子会@みえ』の活動は①ワーキング(月1回)、②『美杉なぁなぁまつり』への出展(年1回)、③展覧会開催(隔年)、④森の見学会(不定期)。活動を通じて、林業の衰退や森の荒廃を考えます。「山の麓町が活気づけば、森も元気になるはず」。本田さんは東員町の新興住宅地育ち。学生時代は、よく造成工事を眺めていたといいます。「森を守りたい。森の案内人になろう、と思い描いていました」。その後、農学部を卒業。植木職人を経て三重県の林業技師として就職。津農林水産事務所に勤務していたころ、ちょうど映画『WOOD JOB!』の撮影で地域が盛り上がり、「今なら女子会を結成できそう。そんなワクワクする熱気が後押しとなりました」。

私流リーダーシップ

女子会員のワザと知恵で林業廃材を活用

会の活動資金や資材は自分達で捻出しています。そこで頼りになるのが、会員の女子達。三重の森に興味を抱く一般女性から、製材所の女性経営者、林業関係の元職員といった“森のエキスパート”まで約30名が揃います。「チェンソーを使えたり、製材所に知り合いがいたりする人も」。そんな縁を活かし、2017年には製材所から“おが粉”を譲り受けました。目的は“染料”として使うため。糸を染め、コースターを制作。そのコースターを元手に地元の企業や団体へ支援を呼びかけ、活動資金を集めることに成功。また2018年の『美杉なぁなぁまつり』で、ウェルカムボードづくりの体験会を開催した際も、製材所から提供を受けた端材を活用しました。

女性・子ども・林業者みんな森の中で笑顔に

会員の力を借りるには、参加して“楽しい会・興味深い会”にする必要があると本田さんは考えます。「チラシづくりが得意な方、会計に明るい方など、色々な方がいるはず。彼女達が秘めた力を発揮できる場にしたい」。子育てに役立つ/人の縁が広がる/自己実現できる会になるよう心がけます。そんな女子会の活動は、森で作業する林業従事者にも良い効果をもたらしているとか。「子連れ見学会を開催すると、林業家の方々の表情が輝きます。『すごーい』『カッコイイ!』って女性や子ども達に言われて、とても誇らしそう。彼らも孤独だったことに気づきます」。森と女性。両者をマッチングして、未来を明るくする新しい風を起こします。

社外メンターとして

お話&アドバイスできる内容

■仕事と家庭の両立
■地域資源活用

こんな講演・相談に対応できます

■林業女子による“木育”導入アイデア
■林業に脚光を当てる女性目線の企画
■子ども向け体験イベントの開催
■女性向け林業体験会の企画

所属事業所概要

林業女子会@みえ
三重県桑名市長島町松ヶ島733-76
会員数:約30名

私の癒し

剣道です。学生の頃から剣道一筋! 出産後は道場に迷惑を掛けてしまうことを恐れ、中断していました。しかし剣道の先生が「子ども連れも大歓迎」と言って下さり、心置きなく参加できるように。今では子どもと一緒に道場に通っています。思いっきり大きな声を出して、ストレス発散しています。

2018年8月 取材

インタビュー概要PDFはこちらから>>